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January 28, 2005

きんの映画評Vol.10→『村の写真集』

きんの映画評Vol.10→『村の写真集』

今回は、試写会でこれ程周りが泣いてるのも珍しい、と言える感動作品を紹介しましょう。しかも泣いていた多くの人は30代から40代の、男性、でした。

この物語の青年(海東健)は、徳島から上京したものの、まだまだ駆け出しのカメラマン。父(藤竜也)も村で写真館を持つカメラマンなのに、そりが合わないため家を継がず、東京でバイトをしながらアシスタントをやっている状態。
その彼が村役場の野原(甲本雅裕)から、近々ダムの底に沈んでしまう故郷の村のために、村民の家族写真を撮り、「村の写真集」を父と創って欲しい、と依頼されることから物語が動き出し、親子の絆や故郷への想いを見出していく。いやはや素敵な映画でした。

とにかく、画が美しい。ゆったりと流れる時間と、澄んだ空気を感じられる画です。そして、そこで生きる人達の表情が素晴らしい!エキストラとして、実際にそこで生活している村の人たちが出演しているのですが、その人たちの顔には明らかに、私達を癒してくれる穏やかさがあり、安堵感があります。だから観ていて、悲しくもないのにジーンと涙が出てくるのです。そこで生活しているからこそ染み付くものなのでしょう。
そして藤竜也さんの演技。昔はこの方、ジゴロ系シティ派(80年代な表現ね)の役者さんだと思っていたのですが、完璧に田舎の頑固親父を演じきっていました。いや、お見事です。言葉ではなく、行動をもって息子に人生を教える。今の時代に必要な父親像、といっても過言ではないでしょう。
父が撮る写真の重みを分かった時、息子が知る父の偉大さ。きっと親子にとってこれほどの神聖なことってないんじゃないかな?彼が、彼の息子として生まれて来て、最高の幸せを見出せたことに、こっちまで感動…男性陣の涙のわけはこの辺にあるのではないでしょうか。

私は男でもないし、東京人。共通項は何にもないけど、その反面、羨ましい限りの物語。「大自然に囲まれた故郷で、親子の絆を深め、自分を見つける」そんな設定に胸打たれました。
もしも私がこういうところで生まれていたら…私にもあんな穏やかさがこの顔に染み付くのかなあ。

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