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December 13, 2006

きんの映画評Vol.15→『敬愛なるベートーヴェン』

きんの映画評Vol.15→『敬愛なるベートーヴェン』

前回のきんのコーナーで、“今、第九にチャレンジしてる”という話を書きました。
漠然としていた願いから、「第九を歌う!」と行動させてくれたのが、この作品でした。
お約束の映画評です。

きんの映画評Vol.14→ 『敬愛なるベートーヴェン』

1824年のウィーン。
“第九”初演4日前。
まだ未完成の“第九”に悩んでいたベートーヴェンの家に、一人のコピストが現れる。
コピストとは、写譜師。作曲家が書いた楽譜を清書する職業。とりわけ乱筆で乱雑な譜面を書くベートーヴェンにはコピストは必要な存在だった。
しかし彼の元に来たコピストは、意外なことに若い女性。
はじめは激怒するベートーヴェンも、次第に見せる彼女の驚くべき才能を認め、遂には彼女が、必要不可欠な存在になってゆく・・・。

まず最初に言いたいのは、とにかく、“第九”演奏のシーン!!!
この頃、すでに耳の不自由だったベートーヴェンが、指揮をする自信を失くすのだけど、そこで彼女が一役買うわけ。
なんと、客から見えないところで、ベートーヴェンの為の指揮をするのです。
で、それを見てベートーヴェンがオーケストラに指揮をする。
どうよ!この共同作業!カンドーするぢゃないのっ!
そして、この二人の指揮をしているときの表情がステキ・・・まるで愛を語っているかのような、二人でひとつの音楽を紡ぎ出してるっつーの?もはや崇高なラブシーンの如く、印象的なシーンです。
そして、それだけじゃ終わらない!
演奏が終わった後、耳の聞こえない彼に、かすかに聞こえる“ザー”という不思議な音。
困惑する彼を彼女が振り向かせると、目に飛び込んできたのは、演奏を讃える観衆の大熱狂する姿。
彼の耳に届いた不思議な音は、その喝采だったのです。
このとき、初めて彼は、この曲が大成功を収めたことを知る…ふあ~すんばらしいっ!ブラボー!!!
思わず映画だということを忘れ、拍手しそうになりました。(これ、マジです。ちなみに、私の隣の席の人も、一瞬手が動いてた…)
ついでにもひとついいカットが。
彼の寵愛していた甥のカールが、その前のシーンでは、ベートーヴェン叔父さんをとってもけむたがってるんだけど、この演奏を見て、大歓声を受ける叔父を誇りに思い、涙をスーっと流すのです。(CMで使われていたシーンね)
これがまた泣かせるのよねぇ…。

さて、なんでそんなに演奏シーンがいいかというと、実は、このシーンで実際に主演のエド・ハリスさん、指揮しちゃったそうです。ハハ、凄っ!
彼は、役作りのために体重を増やし、ピアノとヴァイオリンも特訓。更には指揮も覚えちゃったらしい…現場では、台本ではなく、指揮者用の楽譜を見てたっつーからまた凄いっ。
そんなわけだから、オーケストラの人たちもエド・ハリスの指揮でフツーに演奏。
曲の終盤の演奏シーンの撮影では、カットの声がかかっても、そのまま指揮を止めず、最後まで演奏しきって、オーケストラも観客役のエキストラも会場中拍手喝采だったとか。
すごいエピソードだす…。

このシーンのあとも、物語はベートーヴェンの激しい生き様を描いているのですが、正直、このシーンが圧巻すぎて、この後の展開が、もうフツーに感じちゃいます。いや、決して面白くないわけじゃないのよっ!
お話の起伏はあるのだけど、とにかく、あたしの旬が“第九”なのもあって、演奏シーンが強烈に残っちゃってるのです。あしからず・・・。

この作品で、ベートーヴェンの心の闇、天才ゆえの孤独などを、役者魂で演じている、エド・ハリス。
『アポロ13』のフライトディレクター役で、ロケットが帰還したときの彼の表情が私はたまらなく好きで、「ステキな役者さんだなあ・・・」と、鮮明に心に焼きついていたのですが、今は、エド・ハリス=ベートーヴェンの図式が出来上がってしまいました。脱帽!

ただいま公開中です。
全国の“第九ファン”は必見よっ!(…なんかコアね…)

それにしても、どうして“第九”=年末なのかなあ?
知ってる人、教えて~!

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Comments

あけましておめでとうございます!
年末の第9について本当かどうかわかりませんが、以下のアドレスの中に記載あります
http://
ja.wikipedia.org/wiki/交響曲第9番_(ベートーヴェン)
1/3に『敬愛なるベートーベン』見てきました〜
エド・ハリスさんはベートーベンそのものでした(イメージしかしりませんが)!!しかも、イントロの大フーガの意味がわかったのもパンフレット読んでからでした。第9のシーンも本当にすばらしかったです。アンナさん(ダイアン・クルーガー)もすばらしいと思いました。実際の第3のコピストは謎なんだそうですね。でも、実在の数名の女性の象徴としてアンナさんが登場してるんですね。うーん奥がふかい。もう数回みないとだめみたいです。きんちゃんの第9も聞きたいものです。すばらしい作品の紹介ありがとうございます!!

Posted by: もぐ | January 03, 2007 at 09:43 PM

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この曲で音楽が変わる【ストーリー】チラシ「敬愛なるベートーヴェン」より引用。ベートーヴェンが唯一才能を認めた若き女性作曲家との烈火のごとき創作活動、師弟を越えた愛が、ウィーンの街を舞台に描かれる。1824年ウィーンにて、”第九”の初演を控えたベートーヴェンのアトリエに、作曲家を志す女性アンナがコピスト(写譜師)として訪れた。期待に反し、女性のコピストが来たことに激怒するベートーヴェンだったが、徐々に彼女の才能を認め、”第九”の作曲を支える存在となる。昼夜を問わない創作活動...... [Read More]

Tracked on December 19, 2006 at 09:09 PM

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