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April 04, 2007

家族・・・・・・・・かん。

「ちょっと、話があるから、電話ちょうだい。」

母からの留守電だった。
なんか、良くない予感・・・・・・・

「あ、私、どうしたの?」
「あのさ、お父さんが入院して、手術することになったのよ~。」
「え~!いつ?」
「24日に入院。手術は26日かな。」
「私、24日はタイツで静岡だ。手術の日は行ける。」
「あそう。やっぱり、手術の日は行かなきゃいけないのよね?」
「え?・・・・・普通そうでしょ?」
「やっぱ、ドラマみたいに廊下でじーっと、待ってなきゃいけないの?」
「いけないの?って、普通、付き添ってあげたい、とか思うでしょ?」
「あははは、そうか~。」
「笑ってるよ・・・・・・・結構、明るいのね。」
「だって、暗くしててもしょうがないでしょ~。」
「そりゃそうだ。」

とは言え、オカンもやっぱり、本当はテンションが低いはずだ。
無理して明るくしているんだろうと思い、
タイツマンズ静岡公演から帰るとすぐに実家へ戻った。

「急に、一人になっちゃって、ちょっと寂しくない?」
私は、元気付けようと思いオカンに聞いてみた。
「やっぱり寂しいわね・・・・・・」
とか言ったら、
「私がいるから大丈夫だよ。」
とでも言おうと思ってた。

「いや~、一人は楽でいいわね~!!」

と、きたもんだ!

「ご飯も、お風呂も自由でいいのよ~。」
と言いながら、ゴロンと寝転がった。

なんと、緊張感のないこと。
掘っても掘っても、この人から暗い影が出てこない・・・・・・・

「で?病院で先生の話は聞いたの?」
「いや、私、先に帰って来ちゃって、お父さんが一人で聞いてたみたい。」
「ええ!?何やってんのよ。何で一緒に聞いてやんないのよ。」
「だって、検査が長いし、病院の中、暑いんだも~ん!」
「それで帰ってきちゃったの?」
「うん。それにしても、最近のお医者さんはイケメンが多いわね~。
もうびっくりしちゃった。
特に、”レントゲン科”と”放射線科”。
もう、皆イケメン!」
「そうそう、私が行った病院も”レントゲン科”はイケメンがいた。
最近多いよね。
で、お父さんの担当の先生はどんな感じだった?」
「いや、まだ、顔見てない。」
「だから、おかしいっつーの。」

そして、手術日。
病院へ行くと、お父たまが点滴スタンドと共に廊下を歩いてた。
「おお。来たか。」
お父たまは元気だ。
「13:00からだから、あと一時間だ。」
談話室で、三人で時間を潰す。
手術の主役の緊張を二人でほぐす。
前向きな、明るい話題しかしない。
オカン、フル回転。

「あっちが、手術室だぞ。」
お父たまが歩いていくと、オカンも「へぇ~。」と言いながら着いて行く。
二人の後ろ姿が少し小さく見えた。
なんだかんだ言っても、長年一緒に連れ添った夫婦である。
寄り添う後ろ姿が、私には可愛らしく見えた。

「丸山さん、そろそろ時間ですので行きましょうか。」
「はい。」
「お、じゃあ頑張ってね~。」
自動ドアが開いて、お父たまと看護師さんが手術室の方へ向かって行った。
「ここからは、入れませんので。」
「よろしくお願いします。じゃあ行ってらっしゃ~い!!頑張ってね~!」
私とオカンは笑顔で手をいっぱい振った。
お父たまもニヤッとしながら、手を振って、奥へと消えて行った。

「な~んだ。ベットに寝て運ばれるんじゃないんだね。
あなた!あなた、頑張って!とか、ドラマみたいにならないんだね~。」
「そうだね~。普通に歩いて行ったもんね~。」
「あははは~!!」
「じゃあ、3時間あるから出掛けよっか。」
「行こう、行こう!」

ここはみなとみらいにある、けいゆう病院。
少し歩けば、臨港パーク。
港を見ながら一時間。
更に歩いて”ワールドポーターズ”でショッピング。
買い物袋を下げて、病院に戻ってきた。

しばらくして、兄貴が病院に到着。
談話室で穏やかに談話しながら待つ。
ここにいる人達は皆、家族の手術を待っている。
ウチを入れて、5組ぐらいが待っていた。
号泣している人、本を読んでいる人、久しぶりに会う兄弟、色んなドラマがある。
元気であることの大切さ、命の尊さ、家族の愛情、目に見えないものを強く強く感じる場所だ。
誰もが冷静を装い、皆、前しか向いてない。
前しか向かないようにしているのだ。

「丸山さんのご家族の方、もう間もなく病室へ戻ってきますので。」
「はい、ありがとうございました。」

ベットに寝て帰って来たお父たまは、さすがに麻酔で、
意識が朦朧としていた。
このまま、ずっとこのままだったらどうしよう・・・・・・・

という不安を吹き飛ばすように、
「おつかれさまでした。大丈夫?」
と、はっきり、ゆっくり話しかけてみた。

「・・・・・うん、大丈夫だ。」

安心した。

それからお父たまは一生懸命しゃべり、
「手術した後にこんなにしゃべる人いないでしょ?」と看護師さんに聞いたりしていた。


次の日。
お父たまの体から、色んな管が出ていた。
点滴スタンドに3種類のバッグをぶらさげて、談話室まで歩いてきた。

次の次の日。
一つ、バッグが減っていた。

次の次の日。
点滴だけになっていた。

次の次の日。
点滴スタンドと共に外へ散歩に出かけて、怒られてた。

次の次の日。
お粥が始まっていた。

今日。
点滴もなくなり、お父たまはベットじゃなくイスに座ってくつろいでいた。
「なんだよ、もう寝てないのかい?」
「うん。もう、寝てんの嫌なの。」
「いや~、土曜日退院。良かったじゃん。」
「お母さんに聞いたのか?」
「そうそう、留守電に入ってた。」
「スゴイだろ。予想よりだいぶ早いぞ。」
「スゴイよ。体力あるな~。若い若い!」
「なんだ?その袋。」
「あ、コレ、ケーキ。今日、私の誕生日だから。もらったの。」
「あ、そうか。」

お父たまは、すっかり私の誕生日なんて忘れていた。
でも、私は腹も立たないし、落ち込んだりもしない。

私は、どんなに疲れていても、どんなに忙しくても
できるだけ、お父さんに会いに行こうと思った。
どれだけ、寂しい思いをしているか、
どれだけ退屈な思いをしているか、
たとえ、短い時間でも
別にたいして話すことなんかなくても
顔を見るだけで、
ホッと安心できるのは
やっぱり家族しかいないのだ。

病室のお父さんは素直で可愛い。
それが尚更、私を呼ぶ。
家族って、無償の愛だ。

今までに、こんなにお父さんと面と向かって向き合ってきたことはなかったかもしれない。

災い転じて福となす

出来事はマイナスだったけど、
良いことが沢山あった。

目に見えない、温かい、優しいこと。

今日は私の誕生日。

本当に、二人に感謝しています。

ありがとう。

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Comments

ありがとうございます。
最近、そんなこんなで、物凄く歩くことが多いので、物凄く足が疲れています。
だから、足が溶けるほど、マッサージ受けたい・・・・・
38歳の誕生日に、劇団員の仲良し達から”養命酒”を頂きました。
嬉しい~。
これで元気になれそうだわ~。

Posted by: かん。 | April 07, 2007 at 12:18 AM

お父さんの手術、無事に終わって良かったですね。
かんさんの今日のブログ読んで、大事な人とはいっぱいいっぱい会って、一言でも多く言葉を交せたらいいなと思いました。


遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。
これからも素敵な女優さんでいて下さい。
そしてご両親の自慢の子供でいて下さい。

Posted by: ゆき | April 05, 2007 at 12:28 AM

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